こんにちは、およげないペンギン、ぺんぎんママです。
初めてのフルマラソン。
エントリーしてみたものの本当に走りきれるかな?
どれくらいの練習が必要?
そんな疑問に答える「初めてのフルマラソン・6ヶ月練習プラン」。
10km程度を走れたら約6ヶ月、ハーフマラソンを完走できるくらいの走力があれば約3ヶ月の練習で、フルマラソンの完走は目指せます。
本記事では初めてフルマラソンに挑戦する場合の、6ヶ月のトレーニングプランを解説。
初心者・運動神経や体力に自信がない方も6ヶ月あれば大丈夫。
私自身、月に何100kmも走ったり、サブ4、サブ3.5などを目指すような「ガチランナー」ではありません。
自分ペースでランニングを楽しむことが目的の「ゆるランナー」です。
そんな私が実践して、実際にフルマラソンを完走している練習内容なので、再現性はかなり高いと思います。
初めてのフルマラソンに不安を抱えている人はぜひ参考にして、楽しみながら完走を目指してください。
陸上未経験・運動不足の30代半ばからランニングを始めて、自分ペースでゆるランを続けながらハーフマラソン、フルマラソンを完走できるように。現在ランニング歴約8年。月間走行距離100~120km程度。
【はじめに】なぜ6ヶ月の計画が必要?
フルマラソンは「時間」と「エネルギー」のマネジメントが鍵
ハーフマラソンを完走できるだけの走力がついたら、次はフルマラソンにチャレンジしてみたくなりますよね。
でも、ハーフマラソンは練習で10~15kmくらい走れていれば、本番は大会の雰囲気やアドレナリンで押し切ってしまえますが、フルマラソンはそうはいきません。
走る距離は2倍ですが、かかる時間は単純に2倍ではありません。
フルマラソンの予想タイムは、ハーフマラソンのタイム×2+10分、などといわれることもありますが、初心者は2.5倍くらいはかかると思った方がいいと思います。

ハーフマラソンのPBは2時間切りだけど初めてのフルマラソンは5.5時間かかったよ。
また、フルマラソンで消費するエネルギーは約2,500~3,000kcal。
体重や走るスピードなどにより異なりますが、通常の生活丸一日分くらいのエネルギーを消費します。
ポイント💡
体重1kgあたり1km走ると約1kcalを消費するといわれています。
体重50kgの人が42kmを走ると約2,100kcalの消費となります。
(50kg×42km=2,100kcal)
初めてのハーフマラソンを無理なく完走するには、6か月間の練習で「約6時間走る体力をつけること」「エネルギー切れにならない補給方法を覚えること」がカギになります。
6〜7時間動き続けるための「持久力の土台」作り
完走が目標のフルマラソン初心者の場合、目標タイムは制限時間ぎりぎりの6時間~7時間くらいが想定されます。
ゴールタイムから逆算すると、8分半~9分/kmくらいのペースなので、スピードの速さは必要ありませんが、6~7時間という長時間足を動かし続ける持久力が求められます。
持久力を高めるために、少しずつ走る距離を伸ばし、ペース走・ロング走などのトレーニングを繰り返し行います。
特に初心者は、急に距離を伸ばしたり負荷をかけすぎると故障のリスクが高まります。
焦らずにゆっくりトレーニングを重ねるためにも6ヶ月の期間が必要になります。
「30kmの壁」を克服するための脚力と自信を獲得する
フルマラソン完走を目指すにあたって、一番の難関となるのが「30kmの壁」です。
これは、体に蓄えられたグリコーゲン(エネルギー)が約2~3時間の運動で枯渇してしまうことによって、体が急に重くなり、足が前に進まなくなってしまう現象です。

いわゆる「ガス欠」というヤツですね。
6分/kmくらいのペースで走っていると約3時間で30km地点のため、およそそのあたりの距離・時間帯でガス欠が起こりやすくなります。
これが30kmの壁の正体です。
6~7時間で完走を目指す初心者ランナーの場合、もう少しペースが遅いので、25km前後の時点で「壁」にぶつかる可能性もあります。
壁を克服するためには、30kmを超えても走り続けられる脚力と、エネルギー補給の戦略が重要になります。
レース本番は30km地点を超えてさらに12km以上の距離を走らなければいけません。
それに備えるトレーニングとして、本番2ヶ月前の時期に30km走を行います。
一度30kmの壁を経験する距離を走っておくことで、長い距離を走り切れる脚力と「30km走れた!」という自信を獲得できます。
【準備編】プランニングの基本ルール
目標ペースの設定
まずは参加するレースの制限時間から、目標とするゴールタイムを決めましょう。
フルマラソンの大会は制限時間6時間~7時間くらいが多いです。
初挑戦の場合は、制限時間7時間など、少し長めに設定されている大会だと安心ですね。
ここでは、制限時間を7時間と仮定します。
制限時間が7時間の場合でも、7時間丸々使えるわけではありません。
大きな大会だと、初心者はスタートブロックが後ろの方で、スタートの号砲から10分~15分以上経ってようやくスタートラインを通過できる、ということも珍しくありません。

給水やエイドで立ち止まったり、足の痛みで止まってストレッチをすることもあるかもしれませんね。

長丁場のレース中、トイレに行きたくなることもあるかも…
混んでて並ぶことになる場合もあるよね。
そういったタイムロスを考慮すると、使える時間を30分くらい短めに見積もっておいた方がよいでしょう。
そうなると、7時間制限の大会でも、6時間半で42.195kmを走るつもりでペース配分を考えることになります。
単純計算では約9分14秒/kmのペースです。
実際には、中盤まではもう少し早いペース(7分半/kmなど)で走り、後半疲れてきたらペースを落としたり、時々歩くなどのペース配分になることが考えられます。
例えば7分半/kmで30kmまで走れた場合、残りの12.195kmを走るのに必要なペースは約13分半/kmです。
普通に歩くスピードが約15分/km(時速4km)、早歩きで約12分/km(時速5km)なので、残りは歩いてでもゴールできる計算になります。
こう考えると少し気持ちに余裕が持てますね。
自分の走るペースを把握するには、GPS内蔵のランニングウォッチがあると便利。
ストップウォッチや普通の腕時計、スマホなどでも時間は計れますが、距離やペース(1kmごとのラップタイム、心拍数などを計測できるランニングウォッチを使うのがおすすめ。
初心者でも使いやすいモデルや、女性に嬉しい健康管理機能が充実したモデルなどを紹介しています。
練習の原則
距離は急に伸ばさない
先にも少し触れましたが、走る距離を急に伸ばすのはNG。
ランニングは着地のたびに体重の数倍の衝撃が膝や足にかかります。
長距離を走ることに慣れていない初心者ランナーは急に距離を伸ばすと、その衝撃に耐えられるだけの体力や筋力がないため、故障(ケガ)のリスクが高まります。
ランナー膝や足底筋膜炎などはその代表的な例です。
頑張りすぎてケガをして、しばらく走れなくなってしまった…では元も子もありません。
ポイント💡
ランニング時に足にかかる衝撃は体重の3~5倍といわれています。
体重50kgの場合で150~250kgが、1歩ごとにかかっているということに…!
10km走ったとすると、約10,000回×150~200kgの衝撃を受けることになります。
距離を伸ばす目安は、前週の走行距離の10%以内。
例えば前週の平日に5kmのジョグ×2回、週末に10kmの合計20kmを走ったとすれば、今週は平日は同じ、週末のロング走を12kmに伸ばしてみる(合計22km)。
次の週は平日のうち1回を4kmのビルドアップ走、1回を5kmのペース走、週末のロング走は15km(合計24km)など、無理なく少しずつ伸ばしていきましょう。
「ジョグ」と「ロング走」を基本に
初心者がフルマラソンを完走するために、スピードはあまり必要ありません。
必要なのは「心肺機能と足の持久力」です。
この二つを鍛えるために基本となる練習が「ジョグ」と「ロング走」です。
ジョグは最も基本となる「普段の練習」です。
距離は比較的短めで5~10kmくらい、時間では30分~60分くらいがベースです。
スピードもゆっくりめで、息が上がらず会話をしながらラクに走れるくらいのペースでOK。
ジョグを継続的に行うことで、ランニングが習慣化されます。
また、強度が低めのトレーニングなので、故障のリスクを抑えながら、心肺機能や筋力を徐々に高めていくことができます。
ロング走は文字通り、長い距離を走る練習です。
速く走る必要はありませんが、レース本番の目標ペース(レースペース)で走ることをイメージします。
距離は15km以上や90分以上などが目安になりますが、最初は10kmくらいでも大丈夫。無理せず徐々に距離を伸ばしましょう。
すでにハーフマラソン完走の経験がある場合は、21kmまでは一度に走れるはずなので、そこから伸ばしていくといいですね。
ロング走はポイント(強化)練習の一つなので、ジョグよりも体への負担が大きくなります。
その分、心肺機能や筋力をより効率的に高めたり、エネルギー効率のよい体作りにつながるなど、フルマラソンを完走するための大きな土台となります。
週末にロング走を行い、平日に疲労回復のためにジョグでアクティブレスト(積極的休息)を行うのが基本の練習となります。
休養も練習と考える
フルマラソン完走のための練習というと、

とにかくいっぱい走る!
毎日走って体力つけなきゃ!
と思うかもしれませんが、それは逆効果。
適切な休養も大切なトレーニングの一つです。
負荷の高いトレーニングを毎日続けて行うと、疲労がどんどん蓄積してしまいます。
筋肉も損傷から回復する時間がないまま次の練習をすることになるので、故障のリスクが高くなります。
また、故障までには至らなくても、疲労がたまった状態でのトレーニングは効率が悪いですし、フォームが崩れてしまったりすることにもつながります。
走らなければ不安・・・という場合も、最低週に2回は休息の日をつくりましょう。
この時、完全休養でもOKですが、何かしたいという場合は体幹を鍛える筋トレをしたり、短め&ゆっくりのジョグをするのもありです。
どちらの場合も、疲れていると感じたときは無理をせずに疲労を回復させることを優先してください。
結果的にその方が次のトレーニングの効果が高まります。
【実践編】6ヶ月の練習メニュー
6ヶ月前~5ヶ月前:土台作り期
この時期の目標は週に3~4回のランニング習慣を身につけ、体力・脚力の土台を作ること。
LSD(Long Slow Distance=長時間・ゆっくり・長距離走る)やジョギングを通じて、長く動き続けられる体を作りましょう。
月間走行距離の目安は80~100kmが目標。
ランオフの日は体幹や下半身の筋力を鍛える筋トレなども取り入れられると理想的です。
1週間の練習メニュー例
月曜日:オフ
火曜日:ジョグ(30分~45分・楽なペースで)
水曜日:ジョグ(30分~45分・楽なペースで)
木曜日:オフ
金曜日:筋トレ(15~30分)
土曜日:ジョグ(30分・楽なペースで)またはオフ
日曜日:LSD(60分~90分・会話ができる程度のペースで長く走る)
火曜日にジョグを行った次の日、少し疲労が残った状態で走ることで、疲労時でもペースを維持できる脚(持久力)を鍛える効果が期待できます。
金曜日の筋トレは、ウォーキングやスイミングなど、他のメニューで代用してもOK。
完全休養(OFF)ではなく、体を動かすのがおすすめです。
この時期気を付けたいのは、急に練習量を増やしたり強度を上げすぎたりしてしまうこと。
多くのエリートランナー・上級者ランナーの方でも、基本の練習はジョグだといいます。
故障(ケガ)をせずにしっかりとした土台を作るため、この時期はスピードを求めず、徐々に距離を伸ばしながら「まずは継続」を心がけましょう。
4ヶ月前~3ヶ月前「距離延長期」
この時期の目標は、長距離を走ることに慣れることと心肺機能の強化。
平日はペース走(目標ペースより少し速いペースでのランニング)を行い走力アップを目指します。
また週末には90分〜2時間程度のランニングを実施。さらに一度に走れる距離を伸ばしていきます。
月間走行距離の目標は100~150km。
フルマラソン6.5時間完走(キロ8~9分台)のペースで、楽に長く走れるようになることを目指しましょう。
1週間の練習メニュー例
月曜日:オフ
火曜日:ペース走(40~60分・7分半~8分/kmペース)
水曜日:ジョグ(40~60分・楽なペースで)
木曜日:オフ
金曜日:筋トレ(15~30分)
土曜日:ジョグ(60分・楽なペースで)またはオフ
日曜日:ロング走(90分~120分・フル完走の想定ペースで)
この時期の注意点は、疲労をためすぎないようにすること。
距離が延びるため、食事に気を付けたり睡眠をしっかりとるなどの対策を行ってください。
また、走行距離を伸ばすときは、急に増やすのではなく前の週の+10%以内を目安にしましょう。

いっぱい走ると眠いよね・・・
しっかり食べてたっぷり寝る!が一番♪
火曜日のペース走や日曜日のロング走で本番のレースペースのイメージをつかみ、長い距離をペース配分を考えながら走れるようになるのが目標です。
2ヶ月前「総仕上げ期」
この時期が練習量としてはピークになります。
3時間走または30km走でフルマラソンを疑似体験。ここを乗り越えることで、レース本番で完走できる体力と自信が身につきます。
月間走行距離の目標は150km以上を目指します。
1回に走る距離が長くなるので、回数は増やさなくてもしっかり頑張ればクリアできます。

30km走ろうと思うと約4時間はかかるよね・・・
時間の確保が最大の課題かも。
1週間の練習メニュー例
月曜日:オフ
火曜日:ペース走(40~60分・7分半~8分/kmペース)
水曜日:ジョグ(40~60分・楽なペースで)
木曜日:オフ
金曜日:筋トレ(15~30分)
土曜日:ジョグ(60分・楽なペースで)またはオフ
日曜日:3時間走または30km走(フル完走の想定ペースで)
30km走(または3時間走)を行うときは、走る時間帯(朝9時頃スタート)、ウェアやシューズなど本番と同じ環境で行うのがおすすめです。
補給食(エネルギージェルなど)も持ち運びやすさや開封のしやすさ、走りながら摂りやすいかなどためしておくとよいと思います。

味もいろいろあるから、好みのものを見つけておくといいですよー!
私は普段は甘いものが大好きだけど、フルマラソンでへとへとの時のジェルはさっぱりしたものの方が好みです☆
毎週末に30km走るのは時間的にも体力的にも結構しんどいと思うので、
1週目:20km走
2週目:3時間走
3週目:15km走
4週目:30km走
など、隔週で少し距離を増減するなどで調整してみてください。
一番きつい時期ですが、ここでの頑張りが完走に直結します。
30kmの壁の疑似体験をしておくことで、体がその距離を覚えてくれます。

一般的には30km以上の練習は不要といわれています。
でも私自身の経験では、初めてのフルマラソンの前は練習で走ったのは最長30kmで、本番は35kmくらいからめっちゃしんどくて。
2回目のフルの前は練習で37km走ったら、本番少し余裕をもって走れたよ。
あくまで私の場合!ご参考までに~♪
レース本番が近づいてくるこの時期に故障すると致命的。
練習後のケアはしっかりと行い、少しでも痛みを感じたら無理せず休む勇気も必要です。
1ヶ月前「調整(テーパリング)期」
テーパリングというのは、マラソン大会本番に向けて徐々に練習量を減らし、疲労を抜いていく調整方法のことです。
本番まで1ヶ月を切ったこの時期は、1週間ごとに少しずつ練習量を減らし、体力の温存と体調管理に努めます。
この時、距離は減らしますが、強度は下げないのがポイント。
短い距離で、本番のレースペース(キロ8~9分台)を意識して走ることで、走力が落ちないようにします。
これまで以上に体調管理が大切になる時期です。ケガや風邪、睡眠不足などには気を付けてください。
これまで走っていた分の時間を睡眠にあてるくらいでいいかもしれません。
本番数日前からは食事の内容にも気を配ります。
1ヶ月の練習メニュー例
・4週間前
日曜日:20km走(最後のロング走。本番の想定ペースで)
平日:2ヶ月前期の70~80%の距離
・3週間前
日曜日:ジョグ10~12km(楽なペースで)
平日:前週の70~80%の距離(週に1回、2~3kmのレースペース走)
・2週間前
日曜日:ジョグ5~8km(楽なペースで)
平日:前週の70~80%の距離(週に1回、1~2kmのレースペース走)
・1週間前
日曜日:ジョグ3~5km(楽なペースで)
平日:水曜までに1~2km程度の軽いジョグを1、2回
木曜以降は完全休養
この時期に気を付けるのは、「練習のしすぎ」。
今まで増やし続けてきた練習量を減らすのは不安に感じるかもしれませんが、この時期は疲労を抜くことが最大のトレーニングです。
前の週より20~30%ずつくらい距離を減らしながら、週に1回程度レースペースで走る刺激を入れることで、疲労を抜きながら走力は維持していきます。
特に1週間前からは、日常生活での疲労にも注意が必要。
普段から仕事などが忙しく、睡眠不足などで休息が十分に取れていない人は、この時期は意識的に休養を心がけてください。

私ですねー…
慢性的に眠いZzz…
数日前からは本番の日と同じ時刻に起き、食事を摂るなど、生活リズムを整えるようにできるとよいですね。
【まとめ】無理なく楽しく完走するために
フルマラソンに初めて挑戦する初心者ランナー・初級者ランナー向けに、6ヶ月で完走を目指す練習プランを解説してきました。
ポイントは次の6つ。
- 週に3~4回は走る習慣を
- まずはゆっくり長時間走る力をつける
- 距離は急に伸ばさない(前の週から+10%以内)
- 3時間走または30km走で本番完走への体力と自信をGET
- 本番まで1ヶ月を切ったら練習を減らして疲労を抜く
- どの段階でも無理はせず、休息を大切にする
各章で具体的な練習メニューも紹介しましたが、このプランはあくまで目安。
ご自身の体調・体力や生活スタイルに合わせて調整してください。
実際、私の週間メニューでは仕事や子どもの習いごとの都合上、オフの日は火曜と金曜日です。
レース前の基本は、日曜日にロング走、月曜日は疲労抜きジョグ、火曜オフ、水・木が通勤&帰宅ラン、金曜オフ、土曜が通勤&帰宅ランです。
それでも急な予定(学校の三者面談とか、子どもの試合が日曜に入ったりとか)や悪天候で走れないことも。
予定通りのメニューがこなせなかったとしても、焦ったり落ち込んだりする必要はありません。
ケガなどをせずに楽しくトレーニングを継続することが、完走への一番の近道です。

7つ目のポイントは「楽しく走ること」!
結局これが一番♡
6ヶ月でフルマラソン完走!
完走後、「しんどかったけど楽しかった!」「また走りたい!」と思えるように、少しずつトレーニングを重ねてみてください。



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